SBGN003を購入しなかった理由

 

前作のSBGN003SBGN005は、20191月に登場したグランドセイコー初のクオーツGMTモデルで、GSマスターショップ限定の人気モデルだった。発売当時とても人気で、店頭に行っても実物がない、入荷待ち予約をしてようやく手に入る状況だった。




GSマスターショップ限定なのもあって、発売後数年経過した中古市場でも価格はあまり下がらず、定価363,000円(税込)に対し中古美品は29万円ほどで売られている。当時、私も購入を検討したが、結局は購入しなかった。

 

SBGN003の素晴らしさは他のブログでもたくさん書いていて、私もすごく魅力を感じていた。ここでは購入時に気になった点を書く。

 

・針の先端が尖っている

 時針・分針は、GSクオーツの一番の特徴である大きく鋭い針が付いている。この針はとても好きだが、ドレスモデルの印象が強い。スポーツモデルであるSBGN003が持つ雰囲気にこの針は合わないと感じた。ドレスモデルに比べると賑やかな時計だからか、針だけが浮いているような印象を受けた。腕時計にとって針は一番重要なパーツだ。針の違和感が購入をためらった一番の理由である。

 

・秒針真ん中に穴が開いている

GSクオーツには、秒針中央に穴が開いているタイプと、空いていないタイプがある。時計の価格差により分かれているようである。穴があるのはリーズナブルな時計に多い。穴無しはきれいに磨かれていて美しい。SBGN003には穴がある。GSのクオーツGMTのフラッグシップSBGN019にも穴があるから、クオーツGMTキャリバー9F86は穴開きがデフォルトなのだろう。GSクオーツの中では高価格帯に位置づけされる本品は、穴無しにして欲しかった。

 

・デイト表示がある

 腕時計にデイト表示はないのが好みだ。あれば便利だか、せっかくの美しい盤面をくり抜いて、文字盤のバランス・デザインを崩してまで付けるのはいかがかと思う。SBGN0033時位置にデイト窓があり、本来あるはずのバーインデックスがなく、左右対称のバランスが崩れている。3時位置のバーインデックスは、本来は6時・9時と並んで大きく、デザインとして重要だと思う。それがないことの違和感が大きい。バーインデックスがないため夜光塗料もない。夜間3時位置だけ光らず不自然に感じる。GSの黒文字盤のデイトは黒背景白文字のため違和感は少ないが、青文字盤は白背景黒文字で、すごく目立つ。シンプルな時計ほど白のデイト表示が目立って違和感が強い。

 

・夜光が全インデックスにある

 夜光が1時~12時までの全インデックスについている。3時のインデックスはデイト表示があることで省略され、11個が光る。個人的には、安っぽさ、子供っぽさを感じる。3時位置だけ無く、夜に一か所だけ光らないのに違和感を覚える。

 

GMT針・文字盤のGMT表記がオレンジである

 GMT針、文字盤がオレンジの刺し色になっている。視認性を高め、刺し色としてデザインを引き締める効果があるのだろう。刺し色は使い方次第で効果的にも、安っぽくもなる。SBGN003の全体のデザインからすると、この刺し色は似合っていないように感じる。これに関しては、好む方が多いであろうから、あくまで私の感じ方だと思う。

 

GSロゴのみである点

私は以前のセイコーロゴがあったときのグランドセイコーが好きだ。セイコーロゴをなくし、GSだけになってからのクオーツの文字盤は寂しく感じる。SBGN003は他のGSクオーツとは異なり、文字盤6時方向にGMTの文字があり寂しさは少ない。GSオートマティックGMTは「AUTOMATIC GMT」とある。クオーツ同様に「QUARTZ GMT」と記載してほしい。クオーツを世に送り出したセイコーとしての誇りを、文字盤に入れてほしい。昔のセイコークオーツには、クオーツの文字が文字盤に堂々と描かれていた。これを復活させてほしい。

 

これらの理由で購入をためらった。

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